予防歯科
Preventive

歯の健康を守る習慣が、
あなたの一生を支える
病気になってから治療するのではなく、なる前に防ぐ。この予防歯科の考え方により、北欧では80歳でも20本以上の歯を保つ方が大半を占めています。国民の8割以上が定期的な予防ケアを受けているため、このような成果が実現できているのです。
なぜ予防が重要なのでしょうか。削った歯は二度と再生しないからです。治療のたびに歯は薄くなり、強度が低下していきます。そのため、歯科医院での専門的ケアと毎日のセルフケアを両立させて、治療の必要がない健康な歯を維持することが大切なのです。
軽度のむし歯は削らずに
経過観察
当クリニックでは、軽度のむし歯に対して すぐに削るのではなく、クリーニングとフッ素塗布によるメインテナンスを行い、経過を観察する 方針を採っています。適切なケアを続けることで、 歯の再石灰化を促し、進行を防ぐ ことが可能です。歯をできるだけ削らず、健康な状態を維持するために、定期的なチェックをおすすめします。
当クリニックで行う
プロフェッショナルケア
歯磨き指導

毎日歯を磨いているのにむし歯になる方には、共通する傾向があります。たとえば右利きの方は左奥歯、朝急ぐ方は下前歯の裏側など、無意識に磨き残しやすい部位があるのです。当クリニックでは患者様の生活習慣と歯並びを分析し、弱点となる部位を特定した上で、効果的な清掃方法をご提案いたします。お子様の場合は、成長段階に応じた指導が必要です。保護者の方には効果的な仕上げ磨きを指導し、お子様が嫌がらない工夫もお伝えします。
SRP(スケーリング・
ルートプレーニング)

歯周ポケット内に潜む歯石や細菌の塊を、専用器具で徹底的に除去する処置です。超音波スケーラーで大きな歯石を破砕し、手用器具で歯根表面を滑らかに仕上げます。ざらついた歯根では細菌が付着しやすいため、つるつるに整えることで再付着を防ぎます。
SRPの効果
- 歯周ポケットが浅くなる
- 歯ぐきの出血や腫れの改善が期待できる
- 原因菌除去により口臭が軽減
PMTC

歯の表面には、細菌が作る「バイオフィルム」という防御膜が形成されます。これは通常の歯磨きでは除去できない頑固な膜です。PMTCでは専用器具による機械的清掃でこの膜を破壊し、同時にコーヒーやタバコの着色も落とします。フッ素で仕上げることにより、汚れが付きにくい歯面を長期間維持できます。
エアフロー

微細なパウダーを水と空気の力で吹き付け、歯面の汚れを除去する最新のクリーニング方法です。従来のスケーリングと異なり、歯や歯ぐきへの物理的な刺激が少ないのが特徴となります。パウダーは歯間や歯周ポケットの奥まで届き、細かい部分の清掃も可能です。
Merit メリット
- 従来のスケーラーやブラシによるクリーニングよりも歯や歯肉への負担が少ない
- バイオフィルム(細菌の膜)を効果的に除去し、むし歯や歯周病の予防につながる
- 超音波スケーラーよりも刺激が少なく、知覚過敏の患者にも適している
Demerit デメリット
- 軽度の着色やプラーク除去には優れているが、頑固な歯石はスケーリングが必要
- 施術中にパウダーが口の外に飛散することがあり、不快に感じる場合もある
- 保険適用外のため、自費診療となる
保険のクリーニングとの違い
保険診療は病気の治療が目的であり、決められた範囲内での処置に限定されます。すでに症状がある部分への対処が中心です。
それに対して自費診療のエアフローは、症状が出る前の予防に重点を置いています。全体的な口腔環境の改善を図り、将来的なトラブルを未然に防ぐことが可能です。時間をかけて丁寧に行うため、仕上がりの満足度も高くなります。
フッ素塗布

歯科医院専用の高濃度フッ素を歯面に塗布し、歯質を強化する処置です。市販の歯磨き粉よりも高濃度なので、効果も格段に高くなります。
フッ素の効果
- 初期むし歯の修復を促進し、歯の健康を回復させる
- 歯質に浸透し、酸への抵抗力を高める
- 細菌の活動を弱め、酸の産生を減少させる
生えたての永久歯は特にフッ素を取り込みやすいため、お子様の歯の交換期には特に効果的です。ただ塗布後30分は飲食を控えていただき、フッ素を歯に浸透させなければなりません。
また家庭用のフッ素配合製品と併用することで、予防効果がさらに高まります。当クリニックでも歯科専売品を取り扱っておりますので、お気軽にご相談ください。
ご自宅で行うセルフケア
歯磨き

プラークは粘着性が高く、さっと磨いただけでは落ちません。時間をかけて丁寧に磨くようにしましょう。ただし力の入れすぎは、歯ぐきを傷めてしまうのでやめましょう。またお子様の場合は仕上げ磨きを嫌がる時期もありますが、楽しい雰囲気作りで習慣化することが大切です。
フッ素入り歯磨き粉・
洗口剤の使用

歯の表面にフッ素の膜を作り、酸による脱灰を防ぎます。就寝前の使用が特に効果的で、唾液が少ない睡眠中も歯を守り続けます。すすぎは軽く1回程度に留め、フッ素を口腔内に残すよう心がけましょう。
デンタルフロス、歯間ブラシの使用

歯ブラシだけでは歯間の汚れは落とせません。狭い隙間にはフロス、広い隙間には歯間ブラシを使い分ければ、プラーク除去率が大幅に向上します。最初は出血することもありますが、継続により歯ぐきが引き締まり、出血も減少していきます。
舌ブラシ(舌の清掃)

舌の表面の白い汚れ「舌苔」は細菌の温床で、口臭や歯周病の原因となります。専用の舌ブラシで奥から手前へ優しくかき出すように清掃します。強くこすると舌を傷つけるため、軽い力で行いましょう。朝起きた時の清掃が効果的です。
食習慣の見直し

食後の口内は酸性になり、歯が溶けやすくなります。頻繁な間食はこの酸性状態を長時間続けることになるため、避けましょう。さらに糖分は細菌のエサとなり酸の産生を促すため、甘い飲食物を控えることも重要です。食後に水でうがいをすれば、糖分を洗い流して酸性度を和らげられます。
定期検診を受けましょう

日々のケアを頑張っていても、体質や生活習慣によりむし歯や歯周病になりやすい方がいます。症状が出てから受診すると、すでに進行していることが多く、治療も大がかりになりがちです。
定期検診では、目に見えない初期の変化を専門家が発見できます。小さなむし歯なら簡単な処置で済み、歯周病も初期なら改善が期待できます。プロの目により磨き残しやすい部位や自己流の癖を発見し、継続的に改善していくことが、生涯にわたって歯を守る確かな方法です。
予防歯科のよくあるご質問
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Q
プラーク、歯石とは何ですか?
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歯垢(プラーク)は食べかすではなく細菌の塊で、酸を出して歯を溶かします。この歯垢が唾液のミネラルで石のように硬くなったものが歯石です。歯石の凸凹に新たな細菌が付着し、歯周病を進行させます。
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Q
どうしたらむし歯や歯周病は防げますか?
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Q
定期検診・PMTCはどれぐらいの間隔で受ければ良いのですか?
